先に湯船から上がり、用意してきた下着を身にまとう。
(やばい……これ、自分で見てもえっちすぎる。今までで一番布ないかも……)
ほぼレースとチュールだけでできた”形だけ”のそれに、胸の鼓動を抑えながら彼を待つ。
何度も見られているというのに、毎回肌を見せる瞬間は緊張してしまう。
(ちょっと恥ずかしいからシーツ被ろう……)
もぞもぞとシーツで体を隠すと、寝室の扉が静かに開いた。
浴室から出てきたティオ様の足音に、心臓がばくばくと跳ねる。
シーツをぎゅっと胸元まで引き寄せ、落ち着かない視線を何度も揺らした。
「……ルシ?」
名前を呼ばれて、顔がかぁっと熱くなる。
恥ずかしくて、でも、見てほしくて。
勇気を振り絞って、小さな声で告げた。
「……め、めくってください……」
シーツ越しに自分の鼓動が伝わってしまいそうで、手のひらに汗がにじむ。
布がそっと持ち上げられると、ティオの喉が鳴る音が聞こえた。
「――っ、ルシ……ちょっと刺激、強すぎるよ……」
低く熱を帯びた声が落ちて、ベッドがきしむ。
「ねぇ、ティオ様……早く……」
一瞬、彼の瞳が揺れて伏せられ、すぐに私の唇へ軽く口づけが落ちる。
「やだ……優しくしたい」
そのまま甘く、とろけるようなキスが降ってきた。
その言葉通り、唇はゆっくりと、けれど執拗に私を味わうように動く。
舌が触れ合うたびに、胸の奥まで熱が伝わって、息が細くなる。
「……ん……っ、ふ……」
下着の上からなぞられる指先に、背中がびくっと跳ねる。
(優しく、って……これ、じらされてるだけ……)
肩口から首筋へゆっくりと口づけが降りていく。
そのたびに、肌がぞくりと熱を帯びる。
チュールをそっとめくる仕草も、わざとゆっくり。
すぐに触れない指先が、余計に期待を煽ってくる。
「……もっと、触ってほしい?」
耳元に落ちる低い声に、思わず小さくうなずく。
その瞬間、腰を引き寄せられ、深く口づけられた。
(あ……もう、息……)
優しいはずなのに、熱は確実に上がっていって、
気づけば浴室のときとは違う震えが全身を包み込んでいた。
ティオ様の指が、優しく、肌の上をゆっくりと辿っていく。
触れられているところだけが熱を持って、息が浅くなる。
「……ん……」
もっと…と言えずに、脚をもじもじと擦り合わせる。
そんな私の様子を見て、彼が小さく笑った。
「もしかして……待ちきれない?」
「……っ、わかってるくせに……」
返事をする間もなく、腰を支えられ、ゆっくりと熱が入り込んでくる。
浅く、慎重に、まるで形を確かめるみたいに。
「……あぁ……っ」
浅く揺さぶられて、奥まで届きそうで届かない。
「……その下着着てもうその気になってた?すごいとろとろ……」
耳元の低い声と、浅く優しい動き。
(いきそう……なのに……)
何度もその感覚に翻弄されながら、私はただティオ様の肩に縋って、甘い息を零し続けた。
「……ん……ぁっ……」
小さな波が押し寄せて、焦らされるだけで、全身が甘く痺れていく。
「……ルシ、我慢してる顔、可愛い」
浅く優しい動きが続いて、呼吸が乱れるばかり。
(だめ……もう限界……)
恥ずかしさも忘れて、首に腕を回し、震える声でお願いした。
「……ティオ様……お願い……もっと奥に、欲しい……」
「……いいよ、優しくね」
浅く出入りしていた動きが変わり、深く入ったと思ったら奥の一点を探るように擦りつけられる。
「……っ、ああっ!」
背中がのけぞって、視界が白く弾ける。
根元まで埋められたまま、腰の動きだけで奥を抉られるようにこすりつけられる。
「……あ、そこ……っ、ぐりぐりしないで……っ!」
奥に押し付けるように揺さぶられて、何も考えられなくなる。
(優しく当てられてるだけなのに……)
声にならない声を漏らしていると、彼に脚を高く持ち上げられ、腰ごと押し上げられる。
背中がシーツに沈んだまま、太腿は大きく開かされ、逃げ場のない体勢。
「や……ティオ様、こんな体制……っ、んぅ……」
恥ずかしいくらいさらけ出した格好のまま、上から奥を押しつけるように揺さぶられる。
「……ん、ぁ……あっ、あっ……」
抗えない体勢のまま、羞恥と快感が混ざって身体の奥が痺れるように蕩けていく。
「……ここ……好きなんでしょ?……このまま動いていい?」
力なく頷くと、ゆっくりと引き抜いたあとに容赦なく奥へと差し込まれた。
背中までびりびりとした快感が押し寄せ、声が抑えられなくなる。
「やっ、……ぁああっ……!」
何度も、何度もそこを叩かれて、快感が波のように押し寄せ、頭の中が真っ白になる。
「や……あ……っ、もう……むり……っ」
弱々しく首を振っても、
「……まだ足りないでしょ?」
その一言とともに、また押し込まれ、声にならない悲鳴をあげて絶頂に呑まれる。
何度目かわからない波を超えて、私はただ彼の胸に縋りつき、甘く震えるばかりだった。
「……ルシ……大好き……可愛い……」
耳元で低く甘い声が漏れるたび、力が入らない体がまた震える。
(……もう……だめ……)
ぼんやりとした意識の中で、彼の熱がさらに深く押し込まれる。
何度も同じ場所を優しく、でも確実に叩かれて、甘い痺れが広がっていく。
「……あぁ……ルシ、もう……っ」
堪えきれないような息とともに、
彼がぎゅっと私を抱き締めたまま、奥の奥まで熱を注ぎ込んでくる。
全身がその熱で満たされて、私はただ彼の首に腕を回し、胸の鼓動を聞きながら、静かに目を閉じた。
ぐったりとティオ様の腕の中で呼吸を整えていると、頬や唇にちゅっ、ちゅっと小さなキスが落ちてくる。
「……可愛い。誰にも渡さない……僕だけのルシ」
耳元でそう囁かれて、胸がきゅっと熱くなる。
ふと、思いついて口を開いた。
「ティオ様って……私のことすっごく好きで、すぐやきもち妬いて拗ねるのに……キスマークつけないですよね。……付けて欲しいってちょっと思ってました」
すると、彼は私の隣に寝転がって、きっぱりと答えた。
「……ほんとは僕もルシみたいに”僕の”って知らせて回りたいけど……キスマークって内出血だからさ。ルシの体に傷つけるのは嫌だ」
「え……そういう理由……?」
思わず吹き出してしまい、肩が震える。
「じゃあ、私が付けたらだめですか?」
そう言って、そっと首筋に頬を寄せると、彼は目を細めて微笑んだ。
「ん、僕にならいいけど」
許可を得た瞬間、嬉しさを隠しきれず、そっと唇を首筋に押し当てる。
軽く吸い付くと、彼の肩がわずかに揺れた。
「……ルシ……」
低く名前を呼ばれて、ますます唇に力を込める。
首筋に浮かんだ小さな赤い点を見つめて、思わず「……可愛い」と呟く。
ティオ様は笑いながら「何が」と言っていたけれど、その笑顔が私のスイッチを押してしまった。
そのまま首に、ちゅっ……と吸い付いては、離れ。
また場所を変えて、ちゅっ……。
「……くすぐったい……」
最初はそう言って肩を竦めていた彼の体が、次第に小さく震え始める。
唇を離すたびに赤い痕が増えていくのが、なんだか嬉しい。
鎖骨まで辿り着くと、そのまま胸元へ。
柔らかい肌に唇を押し当て、じっと吸い付く。
「……っ、ルシ……」
押し殺した声が漏れる。
時折、先端を舌でちろりと掠めると、ピクリと体が跳ね、呼吸が乱れていく。
(……いつも反応、ほんと可愛い……)
胸元からゆっくり下へ、唇を滑らせる。
お腹に触れると、ピクリと腹筋が震えた。
そこへ、ちゅっ……と音を立てて吸い付く。
「……ちょっと、ルシ……っ」
押し殺した声が零れるたび、胸の奥がじわっと熱くなる。
さらに下り、内腿へ唇を寄せると、びくんと大きく跳ねた。
その反応が可愛くて、何度も、何度も場所を変えては吸い付く。
吐息が荒くなっていくのを耳元で聞きながら、私はもう夢中になっていた。
(……もっと付けたい)
お腹、腰骨、太腿、肩、腕……。
気づけば、彼の白い肌には私の痕が点々と咲き誇っている。
「……はぁ……っ……ルシ……」
その姿を眺めながら、満足げに口元を緩めた。
(やばい、また欲しくなってきた……)
そう思いながらふと視線を落とすと、先端から透明なしずくがつっと滴っていた。
その光景に、思わず唇が緩む。
「……ティオ様も、欲しいですよね……?」
腰のあたりを指先でなぞりながらそう囁くと、彼の体がピクリと反応した。
期待を込めたようなその震えに、胸が熱くなる。
ゆっくりと跨ると、先端を自分の中心にあてがう。
吐息が混ざり合う距離で、ゆっくり……腰を沈めていく。
「……っ……!」
熱が奥まで届く感覚に、背中が大きくのけぞった。
同時に、ティオ様の口からも甘く低い声が零れる。
沈むたびに押し寄せる快感に、自然と呼吸が荒くなる。
腰がすべて落ちきった瞬間、二人の体が一つになった熱に包まれた。
自分の腰をゆっくり前後に揺らすたび、ぬちゅっ……と、二人の間から甘い音が響く。
その音が耳に届くたび、全身が熱くなっていく。
「……はぁ……っ……ん……」
自然と漏れ出る声。
ティオの熱が奥を擦るたび、頭の奥がじんじんして、腰の動きが早まってしまう。
(……だめ、もっと……欲しい……)
自分で求めるように角度を変え、深くまで飲み込む。
そのたびに、音はより濃く響き、二人の息が重なっていった。
「……あ……ティオ様……っ」
夢中で動かしていると、低く甘い声が耳元に落ちてきた。
「……ルシ……動いていい……?」
返事をする前に、ぐっと腰を掴まれる。
「きゃっ……!」
次の瞬間、下から突き上げられ、体が跳ねた。
深く下から突き上げられて、息が止まりそうになる。
「……っ……あぁ……っ……!」
押し寄せる快感に背中がのけぞり、視界が白く弾ける。
びくびくと震える間にも、容赦なく突き上げられる。
水音と打ちつける音が寝室に響き、耳まで熱くなる。
「……っあぁ……っ……だ、め……そんなに……っ」
必死に言葉を紡いでも、次の衝撃で喉の奥から甘い声が零れ落ちる。
足先まで痺れるような快感が走る。
「……ルシ……可愛い……もっと……」
吐息混じりの声が耳にかかるたび、胸の奥まで震えた。
「……ティオ様、もう……っ……む、無理……」
途切れ途切れに訴えても、腰を掴む手は離してくれない。
深く、奥の奥まで届く衝撃に、何度も背中をのけぞらせられる。
足は力が抜けて震え、姿勢を保てずに体を預けるしかなかった。
「……ルシ……っ、もう……一緒に……」
低く熱を帯びた声が耳元に落ちた瞬間、ぐっと奥まで押し込まれる。
「あっ……ぁぁ……っ!」
視界が真っ白になって、全身が快感に包まれる。
同時に、彼の熱が深くまで注がれる感覚が広がった。
ぐったりした私を、ティオ様は優しく抱き寄せた。
「へろへろになっちゃって、可愛い……大好きだよ、ルシ」
もう何も言えなくなって、息を整えながらただ彼の胸に頬をすり寄せた。
ほんとは――もっと何回でも、って思ってたのに。
あんなに待ち遠しかった時間だったのに。
全身が熱と快感に溶かされて、力が入らなくて。
耳に届くのは、規則正しい鼓動と、落ち着いた彼の呼吸。
「おやすみ、ルシ」
髪を撫でられる心地よさに抗えず、まぶたが落ちる。
――次こそは、もっと。
そう思いながら、あっという間に眠りに落ちた。


