スポンサーリンク

70話 「もう意地悪しないから」って言ったのに……可愛すぎて、また翻弄される夜。

絶倫すぎるんです、公爵様・・・っ!セレナ、レオン、「もう意地悪しないから」って言ったのに……可愛すぎて、また翻弄される夜。(意地悪 甘い 私の番) 絶倫すぎるんです、公爵様…っ!


セレナは、本当に強くなったと思う。

もともと、境遇に負けず心優しくて、芯の強い女性だった。
けれど今はそれだけじゃない。


どんなときも顔を上げて、自分にできることを探して、まっすぐに前へ進んでいく。

家族から名前を呼ばれることなく育ったというのに、俺の家族の話に目を潤ませ、大切そうに耳を傾けてくれた。

きっと、想像もつかないほど辛い思いをしてきたはずなのに――
彼女は恨まない。
ただ今の幸せを、まっすぐに、迷いなく選んでいる。

果たして俺に、同じことができただろうか?

常に、誰かのために何かを与えることばかり考えている彼女。


――だからこそ、俺も自然と「力になりたい」と思うんだ。


「さっき、執務室に戻ってアレクに証拠提出を頼んできたよ。あとは正式な手続きを待つだけだ」

「……ありがとう。領地の人たちが困ってるなら……早い方がいいよね」

「うん。君の判断が正しかったって、きっと皆も思うよ」

そっと、彼女を抱き寄せる。
この温もりを、絶対に守り抜こうと思った。


「もう、あの人たちに情は残ってないよ。……ほんの少しだけ、心の奥に引っかかってたけど。レオンがすぐに動いてくれたから……少し、気持ちが軽くなった。ありがとう」


(……きっとそれでもセレナは厳罰は望まないんだろう。)


「……君の前に現れることがないように、あちらには注意を促しておくよ」

彼女は小さく頷いた後に、俺の胸に顔を埋めたままそっと呟く。


「……もっと、ぎゅってして?」

「……セレナ」


潰れないように、優しく、でもぎゅっと抱きしめなおした。
セレナが顔を上げると、その視線がぴたりと重なる。

レオンはそっと、セレナに口づけを落とした。
彼女の匂い、ぬくもり、心音。すべてがたまらなく愛しい。

何度も啄むようにキスを落とす。

寝室の空気が熱くなってきた、その時ーーセレナがぷいとそっぽを向いた。

「……レオンの、ばか」

小さく聞こえたその声に、レオンは瞬きをする。

「……え?」

「……この前、“入れて”って何回お願いしても、なかなか入れてくれなかったのまだ根に持ってるの……。意地悪だった」

そう言いながら、顔を真っ赤にするセレナ。

(……可愛すぎる……)

「ごめんね、セレナ。可愛すぎて、つい意地悪したくなった」

「……もう知らない」

背中を向けようとする彼女を、ぎゅっと後ろから抱きしめる。
そのままベッドに倒れ込み、ごろごろと揺らす。


「許して?」

「……んー、どうしよっかな」

「じゃあ――こうするのは?」

ちゅ、ちゅっ、と何度も頬にキスを落とす。
頬を赤くしながらも、セレナは満更でもない様子で小さく笑った。

(でも……目を潤ませながらおねだりされるの、たまらなかったな)

ふとそんな記憶がよみがえってきて、気づけばレオンの指がセレナの頬をなぞっていた。

「ねぇ、セレナ……また、やりたい」

「っ……もうっ!!」

セレナは真っ赤になって、レオンの胸をぽすぽす叩く。

くすぐったくて笑い合いながら、再び絡まるように抱き合って――

(……可愛い。もっと色んな顔を見たい……)

もぞもぞとシーツの中で身体をよじって、セレナが俺の胸元に顔を埋める。
くすぐったくて、嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。

「セレナ」

「……なに?」

「……好き、大好き」

そう囁くと、彼女の背中がぴくんと跳ねた。


「……私も、レオンの事、大好き……」


ぽつりと呟かれた声が、胸の奥まで沁みる。

「もっと、触れてもいい?」


耳元で囁くように聞くと、セレナはこくりと頷いた。
そっと髪を撫で、首筋にキスを落とす。
そのまま、肩、鎖骨、胸元へ。
ゆっくりと辿っていく。

「……ん……っ……レオン、くすぐったいよ……」


身体をきゅっとすぼめるセレナを見て、思わず微笑んだ。

「可愛い」

「……もう、また意地悪する……」



すねたふりして顔を隠すセレナに、そっと頬を寄せる。

「……今日は、すっごく優しくするから」

「……え?」

耳元で囁くとあのとろけそうな空気が、ゆっくりとふたりを包み始めた。

「ね?……もう意地悪しないから」

そっとセレナの頬に触れて、囁くように言う。
向かい合っていた身体をゆっくりと前に倒し、彼女の上に覆い被さろうと――

した、その瞬間だった。

「――レオン」

セレナがふわりと身を起こし、逆に俺の肩を押してきた。
力加減も絶妙で、そのまま柔らかな身体に押し倒される形になる。

「えっ――」

ぐい、と軽やかにベッドに沈んで、仰向けにされる。

至近距離で見下ろすセレナの瞳は、いつになく自信に満ちていて――
その唇が、にこっといたずらっぽくほころぶ。

「……次は、私の番」

「……っ……!?」

ぽかんと口を開けたまま、反応が追いつかない。
心臓が跳ねる。
頭の中が一瞬で真っ白になる。

(……ま、まって、それってつまり――)

さっきまで俺がからかってたはずなのに。
意地悪して、翻弄してたのは――俺のはずなのに。

なのに今は、完全に主導権を奪われてる。

あろうことか、セレナの笑顔を前にして――
俺の方が翻弄されてる。

(……今、絶対、耳まで赤くなってる……)


◀前の話に戻る      次の話を読む▶


番外編更新っ ☞ 新婚旅行、こんなこともしてました リナ編