扉が閉まった瞬間、外の喧騒がふっと遠のく。
波の音も、風のざわめきもすべて遮られて――
そこには、ふたりきりの静寂が残った。
レオンは無言のまま、そっとセレナを抱きしめ直す。
その腕から伝わる体温に、心臓がきゅっと鳴った。
そして彼は、ためらうことなく浴室へと向かっていく。
「レオン……?」
抱き上げられたまま、セレナは戸惑いの声をあげる。
けれど、彼の顔は真剣で、どこか熱を帯びていて――
「……セレナが、風邪引いたら困るから。先に、温まろう」
浴室の扉を開けると、もうすでに湯気が満ちていた。
湯船には、魔法石の淡い光が灯り、心地よい温度の湯がたたえられている。
「……流すね」
レオンはワンピースの上からそっと手を添え、 優しく海水を流してくれた。
けれど、そのたびに布地が肌に貼りついて、どこまでも自分の形をなぞっていくのがわかる。
レオンの視線がじっと胸元に注がれている気がして、その熱にあてられるように、先端がきゅっと硬くなっていくのを感じた。
「……っ」
胸元にお湯が触れた瞬間、張りついた布越しに自分でもはっきりとわかるほど――
胸の先が、ぷっくりと主張してしまっていた。
(……いや、見えちゃう……こんなの……っ)
羞恥で顔が熱くなる。
レオンに見られていると思っただけで心臓が跳ねて、濡れたワンピースの下、敏感になった胸の先が疼いた。
そのとき、耳元でふいに囁かれた。
「……もう、こんなになってるの?」
ぞくりと、背筋が震える。
次の瞬間、唇がふわりと触れた。
柔らかくて、甘くて、ほんの一瞬で意識が全部もっていかれるような、熱を帯びた口づけだった。
「……んっ……ん、ん……っ」
最初は優しく。
けれど、すぐに深く、熱く。
セレナの口内をくちゅくちゅと貪るように、レオンの舌が絡め取っていく。
レオンは、そんなセレナを抱えたまま、そっと浴槽へと沈んでいく。
優しく膝の上に乗せるようにして抱えた。
ワンピースは湯を吸ってさらに透け、もはや隠しているとは言えないほど、セレナの肌の柔らかなラインを浮かび上がらせていた。
「……セレナ……」
レオンの喉が、ごくりと鳴った。
指先で、そっと濡れた布越しに胸元をなぞる。
それだけで、セレナの細い肩がぴくんと跳ねた。
「ん……っ」
胸の先端を親指で撫でながら、同時にもう片方の手はセレナの腰に添え、ゆっくりとじらすように愛撫を重ねていく。
セレナは、湯の中で身をよじりながら、レオンの体温に縋るようにしがみついた。
「……レオン、……あっ、だ、め……っ」
低く甘く囁きながら、レオンは胸元へ顔を寄せる。
透けた布の上から、うっすらと尖った先端。
濡れたワンピースを通して、それがはっきりと浮かび上がっていた。
レオンは、そっと唇を寄せると、
布越しに、甘く、柔らかく胸の先端を噛んだ。
「──ぁ、あっ……!」
セレナがビクンと大きく跳ねる。
湯の中で、柔らかな波紋が広がった。
レオンは、さらに布越しに何度も、何度も甘く吸い、噛み、舌で転がしていく。
布を通して伝わる舌のぬるりとした感触に、セレナの身体はどんどん熱を帯びていく。
「……レオン、そんな、あっ、ぁんっ……」
喘ぎ声が、水音に混じって浴室に響く。
レオンの手が、そっと腰を滑り、濡れたワンピース越しに、セレナの秘部へとたどり着いた。
指先で柔らかな布越しに、熱くなった突起を優しくけれど逃がさないように擦る。
「ぁ、だ、め……っ、そこ、やぁ……っ」
セレナは脚を震わせながら必死にレオンにしがみつく。
ゆっくりと擦りあげられ、敏感な部分を刺激されるとセレナの身体はあっという間に高まりきってしまった。
「──っ、あああっ……!」
ビクンと全身を震わせ、セレナは湯の中で小さく跳ねるように絶頂した。
その姿。
その声。
そのとろけた表情。
すべてを見たレオンの理性は、もう完全に吹き飛んでいた。
「セレナ……ごめん、もう入れたい」
喉の奥からかすれた声で呟き、レオンは自身をセレナの入り口に押し当てる。
絶頂直後の柔らかくとろけたセレナを、湯の中で、優しく、ゆっくりと押し広げる。
レオンは深く、セレナの中へと沈み込んでいった。
「ぁ……っ、レオン……っ」
セレナは甘く啼きながら、両手でレオンをぎゅっと抱きしめた。
ふたりの身体は、熱く、密に、深く重なっていく──。
湯船の中。
レオンはセレナの中で、深く、ゆっくりと動き始めた。
ぱちゃぱちゃ、と水音が静かに響き、湯気と熱気がふたりの肌を溶かしていく。
レオンの動きは、とても優しかった。
セレナの身体を傷めないように、それでも、互いの存在を確かめ合うように、深く、深く、丁寧に。
「……セレナ、気持ちいい?」
低く甘い声で囁かれ、セレナは涙ぐんだ目でレオンを見上げ、小さく頷いた。
「……ぁ……うん、レオン……気持ちいっ……」
セレナは両手でレオンを抱きしめ、彼の腰に、脚を絡めた。
もっと、もっと奥まで欲しくて。
レオンもそれに応えるように、少しだけ強く、深く、動きを速めた。
「んっ、んぁ……っ」
次第に、ふたりの呼吸は荒くなり、お互いの熱と鼓動がひとつに溶け合っていく。
レオンの動きも、だんだんとぎこちなくなってきた。
限界が近い──お互いに、感じ取れる。
「……セレナ、……もう……出そう……」
かすれる声でそう囁かれ、セレナは必死に頷いた。
「……あっ、んっ、私も……」
レオンが最後に深く沈み込んだ瞬間──
ふたりは同時に、 熱く、甘く、溶けるように絶頂した。
「ぁ、あっ、レオンっ……!」
湯船の中で、小さな波が重なり、ふたりの身体を優しく包み込む。
どちらからともなく、もう一度、深く、深くキスを交わした。
絶頂の余韻に包まれたセレナを、レオンはそっと抱き寄せた。
ぐったりと力の抜けた彼女の身体を、水音を立てながらゆっくりと湯船から抱え上げる。
湯気の中、レオンは浴槽の淵に腰を下ろし、その膝の上に、セレナを座らせた。
純白のワンピースは、たっぷりと湯を吸い込み、
肌にぴたりと張り付き──まるで濡れた絹をまとっているかのようだった。
「……セレナ、脱がせるね」
小さく囁きながら、
レオンはワンピースの裾に手をかけ、ゆっくりと引き上げていく。
水を含んだ布が、ぬるりと肌に吸い付いて離れる。
胸元を剝がすときには柔らかな曲線にまとわりついていた布地が、じっとりと音を立てて離れていった。
「……っ、あ……」
セレナが小さく声を漏らした。
布が擦れる刺激だけで、敏感になった肌がピクリと反応してしまう。
レオンはそんなセレナを見下ろしながら、喉を鳴らして小さく息を吐いた。
「……こんな反応されたら、拭くだけで終われないよ」
なんとか理性を保ちながら、レオンはそっとタオルを手に取り、セレナの身体を拭いていく。
首筋から、鎖骨。
胸、腰、太ももへ──
優しいはずの手つきなのに、火照った身体にはくすぐったく、甘すぎて。
「……レオン……んっ……」
拭われるたびに、セレナは小さく体を震わせた。
その反応に、レオンの理性は音を立てて崩れていく。
「……もう無理」
そう呟いた瞬間、レオンはセレナの身体をすっと抱え上げ、そのまま浴室を出る。
小さな水滴を滴らせたまま、何も纏わないセレナを大切に胸に抱き、ふたりは再び、ベッドの上へと沈んでいった。
もう一度、ふたりの身体はゆっくりと重なった。
──そして、甘く果てたあと。
レオンはセレナを抱きしめたまま、そっとベッドに身体を沈めた。
彼女の髪にキスを落としながら、深く息をついた。
息を重ね、肌を寄せたまま、ふたりは静かに眠りへと落ちていく。
まだ冷めやらぬ熱を胸に抱いたまま、新しい朝が、すぐそこまで近づいていた。


