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25話 新たな友情の芽生え。そして、誘惑作戦の決行。

TL小説に転生した腐女子は推し様を攻めたい!ティオ クラウス ルシフェリア 新たな友情の芽生え。そして、誘惑作戦の決行。 TL小説に転生した腐女子は推し様を攻めたい!


いつものように癒術理院に入ると、ホールの中央で見覚えのある背の高い男性が立っているのが見えた。

(あ……あの後ろ姿は……!)

思わずたたたっと駆け寄り、息を弾ませながら声を掛ける。

「クラウス先生〜!この間はどうも……その、変なとこ見せてすみませんでしたっ」

ぺこりと頭を下げると、クラウスはふっと笑って、からかうように言った。

「いえいえ。……ティオを狙う気はないので、今後もお手柔らかにお願いしますね」

「……もう忘れてくださいっ……!」


にやりと笑うその表情がやけに爽やかで、話を逸らすように”推し”の話を始めた。


「そ、それはさておき……クラウス先生。ティオ様とレオン様の、もっとこう……いい話ってないんですか?」

「んー……ああ、そういえば――前、公爵様がティオをおんぶして研究室に入っていくの見たな……」

「なっ……」

ーーがたん。

思わず手に持っていた筆記用具を落としそうになった。
すぐさま、”聖典”を開いて全力でメモを走らせる。

「詳細お願いします!時間帯、季節、服装、位置関係……ッ!」

「ははっ、すごい熱量だね……」


クラウスは半ば呆れたように笑いながら、ふと首を傾げた。

「ティオって、婚約者に自分と親友の……そんな妄想されて……怒らないんですか?」

「そういえば、文句言われたこと……ないですね」

ペンを走らせながら話を聞いていたが、ぴたりと手を止める。

「……もしかしたら、まんざらでもないのかも」

「ははっ!……ミルフォード嬢もだいぶズレてますね!」

クラウスは吹き出しながら、肩を揺らして笑った。
私もつられて、くすっと笑ってしまった。

「クラウス先生、いや……クラウスって呼んでいい?なんだか、いい友達になれそう!」

「えっ、急に距離感近いな!? 」

「これからも情報提供、よろしくお願いしますっ!あとティオ様を誘惑するアドバイスも欲しいし……ティオ様がクラウスはモテモテって言ってたから!」

「え、え?そっち系!?俺にそんな指南役を期待されてもなあ。……でも、ま、俺でよけりゃいつでもどうぞ?……ミルフォード嬢って、ほんと面白――」

「ルシフェリアで大丈夫。ほら、楽に話しましょ?」

ウインクをぱちりと飛ばすと、クラウスは肩をすくめて笑った。

「……へぇ。こうやってぐいぐい来るタイプだったとは。ティオが振り回されるのもわかるな」


なんだかんだでノッてくれるクラウスは、きっと懐の広い人なんだと思う。
ティオ様の友達ってだけあって、やっぱりちょっと変わってる、でも――


……これから、いい友達になれそうな気がした。


この日、癒術理院の中で、ひとつの奇妙な“共犯関係”が芽吹いたのだった。



***


研究室の扉を開けた瞬間、ティオ様が顔をぱっと輝かせて、すぐに私のもとへ駆け寄ってきた。

「ルシ! 最近なにしてたの? 家に行ってもいないって言われるから、心配してたよ」

「……あ、ごめんなさい。ちょっと夢中になってて……」

「夢中?」


ようやく会えたという安堵と、ほんの少しの罪悪感が胸をよぎる。


「ティオ様を誘惑するためにドレスを開発してたのに……肝心のティオ様に全然会ってなかった……っ。すみません……」

しゅんと項垂れる私に、ティオは一瞬ぽかんとしたあと、「え? 誘惑……? 開発……?」と体を離して、ようやく私の姿を見下ろした。
職人たちの努力が詰まったドレスをひらりと揺らす。

「どうですか?……サラシ巻かなくていいように改良したんですっ!」


そう言って胸を張ってみせると、ティオ様の目が固まった。

今まで平らに抑え込んでいた胸元には、はっきりと柔らかなラインが浮かんでいる。
きっちり詰まった布地のはずなのに、なぜかやけに色っぽく見えるのは気のせいじゃない。

「……ちょ、ちょっと、ルシ……これは……その……っ」

顔を真っ赤にして視線を逸らすティオ様。
耳まで染まっていて、なんだか可愛い。

「誘惑、成功ですか?」

と小さく笑って問いかけ、そのまま彼の手を取って、自分の胸元へ導いた。

「ティオ様、ちょっと……ここ、引っ張ってもらえますか?」

「……ここ?」

戸惑いながら、ティオ様が指先で軽くリボンを引くと、
するり――と音を立てて、前開きのドレスがほどけ、胸元があらわになった。

「ルシっ……!」

目を見開いたティオが、反射的に顔を逸らしながらも、視線は明らかに揺れ動いている。

「この間、“一緒に寝られるだけで幸せだ”って言ってたから……もう、何もしてこないと思ったのに……」

「それとこれとは別ですっ!」

ルシはきっぱりと言い放つと、目の前の彼ににじり寄る。


「今日は昼間ですよ? 送って帰られたりしませんよね?」


一歩、また一歩と距離を詰める。

「ルシ、だから……っ! その、胸、隠して……!」

「じゃあ……ティオ様が結んでください」

胸元を開いたまま、ティオ様の前にぴたりと立ち、その困った顔を見上げながら、そっと唇を重ねた。

最初は、そっと触れるだけのキス。
けれど、ティオの目元がわずかに熱を帯びたその瞬間――

「んっ……ティオ様……」

唇が重なる角度が変わり、抱き寄せられた腰が、ぴたりとティオの体に吸い寄せられる。ふとした瞬間、胸元が彼の胸に当たり、柔らかく潰れる。

「……ルシ。もう……知らないよ?」

呟きながら、ティオは腰に手を添え、そのままそっとソファの縁に押し倒してきた――



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