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R18 16話 もう、止まれない。恋と熱が重なった夜。

絶倫すぎるんです、公爵様・・・っ!セレナ、レオン、もう、止まれない。恋と熱が重なった夜。 (止まれない キス 舌) R18本編



セレナの唇が、名残惜しそうに離れる。
そっと目を開いた。

視線が合う。
レオンの瞳の奥に、熱が宿っているのが見えた。

ほんの一瞬――
空気が震えるような沈黙。

「……もう、止まれない」

その囁きと同時に、レオンの手がセレナの頬をそっと包み込む。
次の瞬間、吸い寄せられるように――ふたりの唇が、重なった。

今度のキスは、先ほどのように優しくない。
それでも、決して乱暴でもなかった。

ただ、あまりにも――熱かった。

「ん……っ」

思わず、セレナの喉からかすかな声が漏れる。
それを飲み込むように、レオンの唇が、深く重ねられていく。

触れるだけだった唇が、すこしずつ形を変える。
まるで、想いの深さを伝えるように――確かに、求め合っていた。

レオンの唇が、すこしだけ動いた。
セレナの唇を、そっと挟むように、丁寧に、やわらかく包みこむように。

ぬるくて、じんわりと甘い感覚。

(……好き。どうしようもないくらい、好き)

セレナの心の奥が甘く震える。

胸の鼓動も、息遣いも、全部、彼と溶け合っていくようで――
世界がふたりきりになっていく。


――次の瞬間。

ちろ、と柔らかくて熱を帯びたものが、セレナの唇の隙間をなぞる。

「……っ、……ん……!」

舌と舌が初めて触れ合ったその瞬間、体の奥がきゅんと鳴った。
くすぐったいような、甘い熱が、喉の奥からじわりと込み上げてくる。

(……なに、これ……)

初めて知る感覚。
甘くて、蕩けそうで――思わず目を閉じてしまうほど、心地いい。

舌が触れるたび、唇の奥でぬるく柔らかい感触が絡まり合い、
くちゅ、ぴちゃ……と小さな水音が耳元で甘く響く。

(……へんな音……でも……気持ちいい……っ)


唇が押し返され、舌先がそっと触れる。
レオンの舌が、優しく、でも逃がさぬように絡めとってくる。



「……セレナ」



名前を呼ばれた声が、低く、喉の奥で震えていた。
それだけでまた、身体が甘く反応する。


何度も唇を重ね合い、息を吸い合うような口づけが続いた。
舌が触れ合うたびに甘く淫靡な音が漏れる。


「っん、……っ、公爵、さま……」


震える声でセレナがそう呼ぶと、レオンの眉がわずかに寄った。
その呼び方が、どこか遠く感じてしまう。

囁くような声が耳元に落ちる。


「……名前で、呼んで?」

セレナの瞳が、ふるふると揺れた。
途端に、胸の奥がきゅうっと締めつけられるような、くすぐったい熱で満たされる。


「レ……オン、様……」

「様も、いらない」

低く熱を帯びた声。
それだけで、セレナの体がビクリと震えた。


「……レオン……」



セレナが名前を呼んだその瞬間――レオンの瞳が揺らぐ。


「もう……だめだ。そんな声で、名前なんて呼ばれたら……」


囁く声は低く、熱を帯びている。
唇が重なり、舌が絡むたびにいやらしい音が静かな寝室に響いた。


「ん……っ、レオン……」

セレナが名を呼ぶたびに、レオンの動きが僅かに深くなる。
唇の角度を変えながら、唇の縁を舐め、舌先で内側をなぞる。
吸い上げるように重なる口づけに、セレナの喉が震える。

「……セレナ。もっと、名前を呼んで……」

「……レオン……っ」

熱を含んだ声が、漏れ出す。
ひとつひとつに、体がびくんと反応してしまう。


(……まだ、離れたくない……)

セレナがそう思った瞬間、レオンの唇が、ゆっくりと、名残を引くように離れていく。

額を寄せ合ったまま、二人はしばらく息を整える。

セレナの頬は上気し、唇は熱を帯びていた。


ーーけれど、レオンはふっと肩を震わせると、急に我に返ったように彼女から少し身を離した。

「……ごめん」

その低い声は、苦しげで、そして優しかった。

「……体調が戻ってきて、少し冷静になったら……自分がどれだけ無茶をしていたか気付いた」

セレナが瞳を見開いて、静かに首を横に振ろうとするのを、レオンはそっと制した。


「君のことを想う気持ちが、大きくなりすぎて……止められなかった。」


レオンはそう言うと私の手をそっと握った。


「出会って間もないけど、どうしようもなく、惹かれてる。  君の優しさも、儚げな笑顔も……全部、手放したくないと思ってしまう」



そう言って、彼は目を伏せたあとに、もう一度私の瞳を見つめた。


「……君のことが、好きだ、セレナ。順番を間違えて、本当にごめん。もっと大切にすべきだったのに……」


静かな部屋に、ふたりの鼓動だけが響く。
セレナは少しの間だけ、何も言わずに彼を見つめていた。



そして――

ぽたり、と、一粒の涙が頬を伝った。



「……私……」


かすれた声が、震えていた。


「こんなに……幸せな気持ち、初めてで……」


揺れる瞳でレオンを見つめ、セレナは小さく微笑んだ。



「私も……レオンのことが……好き」



それは小さな声だったけれど、確かに響いた。
今まで誰にも言えなかった想い。


ずっと奥底にしまい込んでいた「誰かに必要とされたい」「愛されたい」という願いが、今ここに叶えられたことに、セレナは初めて気付いた。

レオンはゆっくりとその涙を指先で拭う。



「ありがとう、セレナ……君と出会えて、本当によかった」



レオンはセレナの唇に触れるだけのキスを落とし、そっと抱きしめた。
その夜、ふたりの間にはまだ浅いけれど確かな絆が生まれた。

――夢のようだった。


レオンの言葉が、何度も胸の中で反響していた。
好きだと。手放したくないと。
ずっと冷たい場所にいた心が、じんわりと温かくなっていく。


(本当に……私を……)

まるで柔らかな光の中にいるような感覚だった。
胸の奥からあふれるように、幸せが広がっていく。

レオンの体温も、唇の感触も、低く囁かれた声も――全部が、愛おしくてたまらなかった。

けれど。

その温もりが残る場所が、まだじんじんと火照っていた。

唇も、指先も、抱きしめられた腰も。
そっと撫でられた背中も、心臓のすぐ下も――
彼に触れられた場所が、まるで名残を求めるかのように熱を帯びていた。

(……どうしよう……)

抱きしめられただけなのに。
名前を呼ばれ、唇を交わしただけなのに。

心が、身体が――もっと欲してしまっている。
もっと彼の近くにいたい。
もっと触れられたい。
もっと、深く――彼を知りたい。


こんな風に思ってしまう自分が、ちょっと怖くて。


(……私、おかしくなっちゃったみたい……)


今まで知ることのなかった感情。
誰かを想い、誰かに想われ、触れ合うことの甘さと、熱さと、切なさ。


それがこんなにも強く、身体を焦がすものだなんて。


セレナはそっとレオンの胸に額を寄せ、聞こえる鼓動に耳を澄ませた。
彼の鼓動も、少しだけ早かった。
それが嬉しくて、愛しくて、また胸が熱くなる。

この火照りも、この鼓動も――ふたりの間に生まれた“愛”が育てているのだと、信じたくなった。

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