※ 2話ずつ更新!話数注意!お読み間違えにご注意下さい。
そして結婚式当日ー
公爵邸の庭に、静かであたたかな式の準備が整えられた。
式の始まる少し前。
セレナは純白のドレスに身を包み、緊張しながら鏡の前で息を整えていた。
今日のために仕立てられた真っ白なドレスは、繊細なレースが幾重にも重なり、陽光を受けてほのかに光を宿していた。
肩を包む柔らかなシフォンと、胸元にあしらわれた金色の花々の刺繍。
腰のあたりで絞られた細身のシルエットは、私の体を優しく引き立ててくれる。
そこへ――
コンコン、という音のあと扉がゆっくりと開いて、レオンが一歩、足を踏み入れる。
「……セレナ?」
そして、息を呑んだまま、その場に立ち尽くした。
「……そんな顔、しないで。笑ってほしいのに」
セレナが恥ずかしそうに微笑むと、レオンの目に、じわりと涙が滲む。
「ごめん……でも、あまりにも綺麗で……」
堪えきれず、ぽろりと零れた涙。
そのまま、レオンはセレナに歩み寄り、そっと額を寄せる。
「本当に、君が……俺の花嫁になってくれるなんて……夢じゃないんだよね?」
「うん。夢じゃないよ。……もうとっくにレオンの花嫁だけどね」
セレナが微笑んで、そっとレオンの頬に触れる。
その温かさに、また一粒、涙がこぼれる。
呼んだのは、ごく限られた大切な人たちだけ。
リナ、アレク、ティオにベル。
ミアとリュシアン。
そして、最近になってよく笑うようになったユノも。
公爵邸の使用人や聖石の間の従業員も。
扉が開き、レオンとセレナはそっと手を取り合う。
中庭へと続く通路に立った瞬間、セレナは思わず足を止めた。
そこには、来てくれた大切な人たちの姿が見えた。
リナが目に涙を浮かべて手を振り、アレクは静かに頭を下げ、ミアとリュシアンは並んで優しく微笑んでいる。
ユノはベルを抱きしめたまま少し照れくさそうに笑っていた。
――そして、視線の先に見えたのは、式服に身を包んだティオの姿だった。
「……ティオ! 髪、切ったの?」
驚いてそう声をかけると、ティオはいつものように肩をすくめて、いたずらっぽく笑う。
「うん、似合ってる?」
風に揺れる短めの茶髪。
どこかすっきりとしたその姿に、彼の新たな決意が滲んでいるようだった。
「うん。とっても」
セレナが微笑むと、ティオもどこか照れたように視線を逸らした。
あの頃の彼とは少し違う、未来を見つめるまなざしがそこにあった。
そんな仲間たちの温かな視線に包まれて、セレナとレオンはゆっくりと歩き出した。
ふたりだけの、大切な誓いの場所へ――
そこには簡素ながらも美しい、白い布と花々で飾られた祭壇。
陽の光がそっと降り注ぎ、まるで天の祝福のように二人を包み込んでいる。
祭壇の前で、神父が穏やかな声を響かせた。
「本日、ここに集まった皆の前で――あなた方は、生涯を共に歩むことを誓いますか?」
レオンはまっすぐにセレナを見つめる。
その瞳には、これまでの想いがすべて詰まっていた。
「私は、彼女を愛し、守り、どんな時も支え続けることを誓います。――セレナ、君だけを愛すよ」
その言葉に、セレナの胸が熱くなった。
震える唇をそっと開き、彼に応える。
「私も……レオンを愛し、どんな運命も共に歩むことを誓います。生まれ変わっても、きっとあなたを愛します」
柔らかな風がふたりの髪を揺らし、神父が優しく微笑む。
「この誓いを、神の御名のもとに受け入れます。どうか、ふたりが永遠に結ばれますように」
するとレオンがそっと手を伸ばし、セレナの頬に触れた。
「……キス、してもいい?」
「もちろん」
小さく頷いたセレナの唇に、愛おしさを込めてレオンが口づけを落とした。
祝福の拍手がわき起こり、花びらが風に乗って、ふたりの周囲を舞い踊る――。
***
夜ーー
天蓋の揺れるベッドの上。
純白のドレスに身を包んだままのセレナが、座っていた。
「レオン、みんな笑っててくれてよかったね」
「うん、セレナと結婚式出来て、本当に良かった。……これからもずっと一緒に居てね」
自然と目が合って、ふたり同時に、ふっと笑い合う。
どちらからともなく顔を寄せ、唇がそっと触れ合った。
まるで、改めて誓いを交わすように――
照れくさいのに、あたたかくて、胸がじんわりと満たされていく。
「……やっぱり、似合いすぎて罪だな。セレナ」
レオンの目が、ふっと細められる。
さっきまで穏やかだった眼差しに、微かに熱が灯るのを感じた。
「えっ、レオン、ちょっと……」
セレナの小さな抗議など意に介さず、レオンはキスを落とすと――
次の瞬間、ゆっくりと背中に手を回してリボンをほどいていく。
「……脱がせるの、もったいないな」
熱っぽい瞳で見下ろされ、触れられ、名前を何度も囁かれて――
夜は、深く甘く、静かにふたりを包み込んでいった。
どれほどの時が過ぎただろうか。
愛を交わし、指を絡め、口づけて――
幾度も、何度も体が重なって。
月が沈み、東の空が白んでいく。
セレナは、ベッドの上でレオンの胸に抱かれながら、うっとりとまどろむ。
あたたかくて、やさしくて、でも……
――とてつもなく、すごくて。
……絶倫すぎるんです、公爵様…っ!
と心の内でそっと呟きながらーー
セレナは、幸せに満ちた眠りへと落ちていった。
⌒*。゚*⌒*゚。*⌒ fin ⌒*。゚*⌒*゚。*⌒
ーーーーーあとがき✎ーーーーー
長い間、ご愛読ありがとうございました!
沢山読んでいただいて、無事完結出来て感激してます・・・!
セレナとレオンの物語はこれにて完結です。
きっとこれからも二人は幸せな夜を沢山過ごすことでしょう♥
そして・・・
ここからは――
ティオの新たな物語が動き出します。
\本日より連載スタート!/
『TL小説に転生した腐女子は推し様を攻めたい!』
推し×転生×溺愛×逆転攻め!?
ティオの恋の行方、どうぞお楽しみに……♡
作品ぺージはこちら☞ TL小説に転生した腐女子は推し様を攻めたい!
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